家族というもの

家族というもの

一見、幸せそうに見える家族の姿。だが、それぞれに秘密があり影を抱えながら生きている。家族ひとりひとりの人生に理由があり日常がある。誰が正しくて誰がおかしいとかではなく、それぞれが今を生きている。 「思い込んでいると、本当...

色鮮やかに

色鮮やかに

終わることへの緊張感とともに、時代背景を映しこんでいる。 何かが静かに終わるような、そんな予感がした。 『カラフル(文春文庫、森絵 都著)』

夢の中へ

夢の中へ

短編小説を多数収録、独特の世界観は著者の魅力のひとつ。引き込まれる内容にサクッと読めてしまう一冊です。 もしかしたら、私も言葉に疲れているのかもしれない。 過剰すぎる言葉に溺れているのかもしれない。 いつも何かを語ろうと...

恋愛観

恋愛観

「恋に落ちる」という表現を考えた人は誰なんだろう。落ちるという感覚を決して悪いことではなく、抗えない墜落として恋愛の姿を映し出している。 どうしようと思っても、いやまさかと思っても、いやいやまさかと思っても、私は会うたび...

主観と他観の狭間

主観と他観の狭間

人にぶつからないように歩いていても、それはただ衝撃を受けないというだけでしかない。交わされることに傷ついて思い悩んでしまう人もいるってことを忘れてはならない。 人を傷つけないように生きていこうとしているのはわかる。 ただ...

出会いと別れ

出会いと別れ

著者のノンフィクションを描いたような作品だが、あくまで小説というジャンルに括られている。 何かは途絶え、そして何かはつながっていく。 もちろんそんなことに意味はない。 いつかはことごとく、 手のつけられないあの虚無の中へ...

冷たいトゲ

冷たいトゲ

森博嗣さんの書く世界は静けさの中に、主人公はひどく冷めた人物が多い。 吐き捨てる言葉、頭の中をめぐりめぐって出すつぶやくセリフ。 正直で冷淡でトゲが生える。 「もえない」もえないものとは、何か? 曖昧な自らの記憶を少しづ...

すばらしい世界に住む私たち

すばらしい世界に住む私たち

耳の聞こえない植田さんとメリちゃんの心温まる物語。 著者の趣のあるな表現に、どこか懐かしい景色を思い浮かんできます。 冬の一日一日の静まりかえった情景に、世界が美しく感じる一冊。 「ねえ、みんな!今まで知っていた?考えた...

数式

数式

「ぼくの記憶は80分しかもたない」 鉛筆のかすめた跡からは情熱を、 バツ印には焦りを、 力強く引かれた二本のアンダーラインからは確信を。 そしてあふれ出る数式は、 私を世界の果てへと導いてくれた。 数字を通して物語は進ん...