未来の匂い

未来の匂い

未来の匂いってどんなのだろう?『エコラム(新潮文庫、リリー・フランキー著)』 ベンキョウとは、今ではない未来のために何かやる行為のこと。 そこに、未来の匂いがすればそれでいいのだと思う。

ボールを握っていたい

ボールを握っていたい

かつてのヒーローがいつかを起点にヒーローの影になる。『この腕がつきるまで 打撃投手、もう一人のエースたちの物語(角川文庫、澤宮優著)』 投げることだけはね。どういうかたちであれ、ボールを握っていたいんですよ。 これしか技...

厳しさのなかの温もり

厳しさのなかの温もり

実写とノンフィクションの融合を見事に表現した一冊。これまでの警察小説の枠を越えて一気に読みふけってしまいました。『クライマーズ・ハイ(文藝春秋、横山秀夫著)』 面白いですね。 誰でもみんな、山に来ると不思議なほど正直にな...

眺めるだけでは見えてこないもの

眺めるだけでは見えてこないもの

山は遠くから眺める姿と、実際に歩いて見る姿と、想像以上にその様は違うもの。山道を歩いてみるとそこには離れた場所からでは見えない、生き物や植物が存在しその障害を懸命に尽くしています。『孤高の人[上][下](新潮文庫、新田次...

悲劇ではなく不可避であるだけ

悲劇ではなく不可避であるだけ

パウロ コエーリョの作品は宗教的な面が色濃いですが、物語を通して哲学的な視点を私たちに気付かせてくれます。『第五の山(角川文庫、パウロ コエーリョ著)』 「悲劇などはない、あるのは不可避な出来事だけだ。すべてはそうあるべ...

モラトリアムかどうかよりも

モラトリアムかどうかよりも

「モラトリアム(moratorium)」彼の作品をこう表現する人が多い。Wikipediaでは以下のように説明されている。 学生など社会に出て一人前の人間となる事を猶予されている状態を指す。 ~Wikipediaより抜粋...

それぞれの方法

それぞれの方法

加害者と被害者。ある物事の重みは人それぞれであり、感じることや思うことも人それぞれ。個性だ自由だとオリジナリティーを尊重する割に、罪の重さは同一でなければ気が済まない人間の矛盾。正解も不正解もなく、何が正しいのかはそう簡...

損失との折り合い

損失との折り合い

それぞれの心に残る「損失」を巡礼のなかで和らいでいく作品。後悔を抱え自問自答の先に見えてくるもは何か。『きみ去りしのち(文藝春秋、重松清著)』 話したいことはたくさんあったが、言葉は要らない。 見つめ合うことも、やめた。...