色鮮やかに

色鮮やかに

終わることへの緊張感とともに、時代背景を映しこんでいる。 何かが静かに終わるような、そんな予感がした。 『カラフル(文春文庫、森絵 都著)』

カラフルのかけら

カラフルのかけら

何ら起こらない日常で、生きることに迷い込んだら読んでみてください。 この大変な世界では、きっと誰もが同等に傷ものなんだ。 『カラフル(文春文庫、森 絵都著)』  

夢の中へ

夢の中へ

短編小説を多数収録、独特の世界観は著者の魅力のひとつ。引き込まれる内容にサクッと読めてしまう一冊です。 もしかしたら、私も言葉に疲れているのかもしれない。 過剰すぎる言葉に溺れているのかもしれない。 いつも何かを語ろうと…

恋愛観

恋愛観

「恋に落ちる」という表現を考えた人は誰なんだろう。落ちるという感覚を決して悪いことではなく、抗えない墜落として恋愛の姿を映し出している。 どうしようと思っても、いやまさかと思っても、いやいやまさかと思っても、私は会うたび…

主観と他観の狭間

主観と他観の狭間

人にぶつからないように歩いていても、それはただ衝撃を受けないというだけでしかない。交わされることに傷ついて思い悩んでしまう人もいるってことを忘れてはならない。 人を傷つけないように生きていこうとしているのはわかる。 ただ…

傷と汚れ

傷と汚れ

僕は江國さんの意見ではなく、夫の考えだ。 汚れは誇りみたいなもので、自然についてしまうものという認識だし、傷は行動の中で何かがズレたり思い違いがあったりしてついてしまうものだと思っている。傷つきたくて傷つくわけではないけ…

オカン

オカン

第3回(2006年) 本屋大賞受賞作品。 オカンの言葉に、家族のつながりを感じずにはいられない。大切な人に優しくなれる一冊です。 東京でも田舎町でも、どこでも一緒よ。 結局は、誰と一緒におるのか、それが大切なことやけん。…

出会いと別れ

出会いと別れ

著者のノンフィクションを描いたような作品だが、あくまで小説というジャンルに括られている。 何かは途絶え、そして何かはつながっていく。 もちろんそんなことに意味はない。 いつかはことごとく、 手のつけられないあの虚無の中へ…

冷たいトゲ

冷たいトゲ

森博嗣さんの書く世界は静けさの中に、主人公はひどく冷めた人物が多い。 吐き捨てる言葉、頭の中をめぐりめぐって出すつぶやくセリフ。 正直で冷淡でトゲが生える。 「もえない」もえないものとは、何か? 曖昧な自らの記憶を少しづ…