僕らを人間たらしめているもの

僕らを人間たらしめているもの
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僕らの周りに存在するあらゆるもの。時計、携帯、家族、猫・・・。余命わずかだと宣告され、有限な時間が未来から僕に向かって歩いてくる。そうなってはじめて気づくことができる数多くのこと。そこから主人公は様々なことの本質を見極めていく。『世界から猫が消えたなら(小学館、川村元気著)



何かを得るためには、何かを失わなくてはね

母さんはそんなことは当たり前のことだと言った。
人間が自らの何かを失わずに、新たに何かを得ようとすることは「奪うこと」に他ならないと言う。「試験に合格しますように。」と、願うその裏側では「誰かの代わりに落ちませんように。」という願いが含まれているのと同じように。。。
誰かが幸せになるということは、その他の誰かが同じように不幸になるということにつながることがある。そんな風に、この世はバランスで成り立っている。そこには片方の天秤が重くなれば、もう一方が軽くなって不要なものと判断されてしまうという残酷な事実の上に成り立っているということを、人は見て見ぬふりをしているに過ぎない。

人間の都合の良いように世界は定義されている

「時間」なんていうものは、人間が勝手に決めたルールでしかない。
太陽が昇って沈むというサイクルは自然現象として存在はするが、そこに六時、十二時などと名前を付けているのは人間だけなのだ。きっとそこには理解できないもの、定義ができないものという自由であるがゆでの不安を、決まりや規則という不自由な定義にはめ込むことで得られる安心感として位置付けているのだろう。

愛するとは何か

「愛する」とは「消えてほしくない」と願うことなのかもしれない。

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