立場に見合った視点を持つことで道はひらける

立場に見合った視点を持つことで道はひらける
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経営者を目指している人に限らず、仕事に対してきちんと目標立てて物事に取り組みたい。そう考えている人にとって、基本姿勢を整えるのに最適なヒントなどが本書『起業家タマゴ経営イロハ(講談社、森田 謙一著)』には、多く記されています。



どの視点から物事を見るかですべては変わる

今現在、会社の中であなたがいるポジションに対し、自分の思う通りの評価がされているのか?そんな疑問を持っていたり、自分の進むべき方向性に悩んでいる人に、仕事をしている中で見えている視点の高さを少し変えてみることで、ひとつひとつの物事にどう向き合えば良いのかというアドバイスになります。

経営のノウハウ云々ではなく、社員であったり役員あったりと、それぞれの立場によってどういったことを考えていなければならないか。身近な視点で解説してくれています。

自分の専門分野の枠を越えて考える

新しい発想やアイデアは自分の専門分野を熟知しているのだけでは、なかなか生まれてきません。

何かを極めることは、もちろん簡単ではないし、専門性のある良いことですが、同じ箱の中でルーティンワークをしていたり、代わり映えのない日常を過ごしているだけでは、新しい発想やアイデアは生まれにくいもの。

そのためには、自分が専門としている分野から外に目を向けてみることも、刺激になり大切なことであると筆者は述べています。

普段直接関わりの少ない職種の人たちと食事をしてみたり。世代の違う人と出掛けてみたりすることで、新たな発見は生まれやすくなることがあります。これまでほとんど興味のなかった開けたことのないドアを思い切ってノックしてみることが、思いがけないアイデアを見つけるキッカケになるかもしれません。

作業になってはいないだろうか?

頑張るとは「仕事を終わらせる」ことではありません、終わらせることを意識して仕事をすると作業になります。

よくあることですが、「早く仕事を片付けることが出来るように効率UP!」なんて目標を立てる人は、はっきり言って、その仕事をしないほうが良いと思います。片付けるような仕事をしていても、ただ物事を終わらせたという達成感を感じることはあっても、その仕事自体への情熱は、時間と共に消失していくことでしょう。やはり「片付ける」という感覚や姿勢で仕事をしている人に魅力も信頼も持てないのはクライアント様のみならず、同僚であっても同じはずです。もし身近に居たら指摘して確認する必要があるのではないでしょうか。

立場が上であるほど謙虚であれ

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

昔からよく耳にする諺ですが、たまに、このような姿勢をとことん貫いている立派な役員がいます。役職が高くなるに連れて、傲慢な態度をする人も多いですが、驚く程に低姿勢な会社役員の人を見ると、人一倍凄みを感じることがあります。やはり謙虚であることは、とても大切なひとつの要素であり1つの技術でもあるのではないでしょうか。

それぞれの立場の性格を知る

社員は会社に労働を提供することが仕事で、役員は会社に利益をもたらすことが仕事になってきます。両者の性格はまったく異なり、つまり会社を辞めること以外に逃げ道がないのが役員なのです。

一般社員は、労働の時間をお給料という対価で提供しているという感覚でも良いのかもしれませんが、役員になればそれでは不十分であり、決められた時間席に座り労働をしていれば良いというものではなく、利益を生むことが前提であり、また条件とも言えるのかもしれません。

例えば、社長自身が実利益を生む作業をすること自体は良いことであるとは言い切れません。

実際に、社長自らが自社の商品を持って営業に回っていたらきっと社員は不安に感じるでしょう。うちは社長が営業をしなければならないほど切羽詰まっているのか?そう思われてしまっても仕方がないかもしれません。

社長は、社員が安心して仕事ができる環境や状況を作り上げることこそ仕事で、いくら社長がトップセールスマンであっても、会社が経営出来ない状況ではまったく意味がありません。いくら良いものを作り上げてもそれで社員がきちんとお給料をもらえる環境が出来なければ、その人は社長ではなく、セールスマンに過ぎません。何よりも会社に利益があって経営がなされる環境を作り維持していくことこそ、役員の責任であると言えるのでしょう。

過去を否定する勇気

「革命とは自分の過去の努力を否定すること

「改革」と「革命」は似ているようで大きく違います。「革命を起こす!」ということは、今まで自分が行ってきたすべてのことを否定して、まったく別の方法を取ることを意味しています。ちょっとした作業工程に変化を加える程度は「革命」とは言えません。

誰も思いつかなかったことを、イチから始めるようなレベルのことを本来は「革命」と呼ぶのです。

仕事をする上で様々な視点で会社というものを見ていくと、自分がするべきことや何を考えて行動することが、本当に意味があるのかなどの明確な道筋が少しずつ見えてきます。

ただ働いているだけでは、極端に言ってしまえばアルバイトと変わらないし、駄目だったら別の会社に転職すればいいという具合に、いつまで経っても自分の仕事や立場に責任を持って行動が出来ない人材になっていくのも良いことではありません。

ひとつ上の立場になって物事を見ていかなければ、もちろん昇給もできないのは当たり前。「与えられた仕事を私はこんなに一生懸命やっている!」と強く主張したところで、それは「任された任務を問題なく遂行した。」に過ぎないのです。それでは今の自分の立場=お給料=プラスマイナス0でしかないので、役職・お金そのどちらにおいても上昇させたいと思うのであれば、ひとつ上の立場に立った視点で目の前のことを見ること、そしてさきのことを予測し行動すること、そして他者を突き動かす影響力を持つことなど、本来求められている任務以上の働きをする必要があります。

何はともあれ現状に甘んじることなく、今よりも広い視野で仕事をすることがより高みを目指す人には大切なことであるのでしょう。

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