評価をされるとは何なのか?

評価をされるとは何なのか?
Pocket

評価をする立場になって気づいたこと、“評価の基準を作るのは簡単だけれども、それをすべての職種に平等に適合していくのは相当難しいという現実”

つまりルールを決めるのはそんなに難しいことではないけれど、それをすべてに当てはめて平等に評価をしていくことは不可能だと思えるほどに、困難だということを身を持って感じます。



実際に多くの企業において何かしらの評価基準は存在しているいるはずですが、「A社の基準がB社でも当てはまるのか?」と問われれば、簡単なことではない。私自身、人事ではありませんが逆にこの難しさが人事の面白さでもあるんだろうな、と思いました。

そんなこともあって手に取ったこの本は、人事に限らず、評価をされる側の社員にとっても知っていた方が良いことが数多く述べられているのでご紹介します。『人事の超プロが明かす評価基準(三笠書房、西尾太 著)

実際のところ採用基準は曖昧なもの

形式上は、評価の基準を社員に説明する資料を公表している企業もあります。しかし実際のところ、評価基準の詳細については、曖昧に濁されていることが多いのではないでしょうか。経済産業省の調べでも、日本に存在する約421万の企業の中で、具体的な「評価基準」を示している企業は一割程度とされています。

人事制度とは本来人を成長させる仕組みである

人事評価と聞くと、評価をする側から評価をされる側への一方的なジャッジ(裁き)と思っている人も少なくありません。しかし本来の人事評価とは、その一定期間の業務を踏まえた段階で、それぞれの社員が次に何をすればよいのか。何が足りなくて次に何を身に付けて実践していけばいいのか。などを明確にし、各個人に対する、次の目的地を決めるための気づきとして、非常に大切なプロセスでもあるのです。

評価とは、良い点と足りない点を明らかにして気づきを与え、成長を促すことです。

ポジションによって評価のされ方は違う

一般社員、主任、係長、課長、部長など役職にはそれぞれ段階がありますが、各役職ごとにミッションは違います。また評価のされ方も違います。理解はしているはずですが、そのことを意識した上で行動を出来ている人は、意外にも少ないかもしれません。なかなか昇進ができない、給与が上がらない、そう思っている人は「今、自分が何を求められているのか?」をきちんともう一度考えてみることが必要でしょう。

あなたの給与はどう決まるのか?

給与というのは、社員が会社や世の中に提供した「価値」の対価。つまり頑張った度量や叩き出した営業件数ではありません。数字としての結果=評価ではなく、別の「価値」によって決まるのです。

いずれにしても、その根幹となる「会社が社員に求めていること」が、明確に示されていない状態では、どんな人事制度も、的確かつ客観的な評価ができる制度として機能しないということです。

評価される人は必ず「影響力」を持っている

成果がどうとか、人間性がどうとかそのようなことよりも大事なのはその人の周りに与える「影響力」だと感じます。個人で仕事をしているのではなくチームとして働く以上、少なからず同僚に対してどう接しているか。どう影響付けをしているか。など、個人の成績だけでなくチームの中のその人の存在価値というものも大きな評価軸となります。自分だけ努力をして結果を出しているだけでは役職者として評価に値しないということを、チームのリーダーは考えた方が良いでしょう。スポーツに置き換えてみれば、自分だけ練習をし結果を残していても、チームが勝ちあがっていかなければ成果は得られないのです。

見ていてくれるはずは、上司にとっては見えないもの

地道にコツコツと努力をしている人は多くいると思いますが、きっと上司はそれを見ていてくれている。と特に会話もせずに結果でアピールしようと考える人もいるのではないでしょうか。残念ですが上司は、その陰に隠れた努力まで細かく見えていないのが現実です。もちろんそういったところにも目が届くようにマネジメントが出来る上司が理想ではありますが、上司もまた上からの指示や命令に応えようと忙しいのも正直なところ。もはや居るのか居ないのかわからない程の存在感で仕事をしている部下まで、逐一観察はできません。わからないことがあれば相談をしに行く、ちょっとした疑問点を確認しに行く、といったちょっとした接触でもあるのとないのとで大きく違います。見えないところで頑張ってくれているな。と、上司に思わせることもひとつの評価点になります。評価されたいのであれば、何かしらの行動で表現をすることも忘れてはいけません。

プライドと意地を一緒にしない

年齢や経験に関わらず、ある仕事に対してプライドが高いほど、横やりな指示や変更に意見をしてしまいがちです。しかしながら、プロジェクト途中での急な方向転換があった場合は、素直に従うのが最善と感じます。それはおかしい!と声を上げることがいくら正しいことだとしても、急に方向を変えなければならないということは変えられない上からの指示に違いないのです。そういった軌道修正は議論の段階を過ぎて決定事項として上司の元に届いているため、その部下である社員がいくら正そうと声をあげてもほとんど意味がないことが多いもの。一旦は受け入れ、なぜ方向転換になったのかを聞く程度に留めておいた方が良いでしょう。

何よりも大事にすべきこと

自分の仕事には、どんな意義があるのか?
誰に対して、どのような役に立っているのか?
どんな価値を社会に提供しているのか?

その答えが見えたときに、人は初めてその仕事に本気で取り組もうと思えるのです。

評価がどうとか、結果がどうとかということを追いかけるのではなく、もっと先のものに対して「自分がしていることの価値はどうなのか?」という視点を持ち、失敗や成功を繰り返していくこと。ひとつひとつの発言にも気を配り、今この瞬間に何をすべきなのか。ということを広い視野で判断していくことで、見えているものに変化が生まれることでしょう。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください