会社が社員に求めるものは何か?を考えること

会社が社員に求めるものは何か?を考えること
Pocket

マッキンゼーで採用担当を12年に渡り務めた著者が語る、本当に優秀な人材の条件とは何か?
人を採用するうえで何が大切なことかを紐解いていく。きっと採用に関わらず、自身のキャリア形成や立ち振る舞いなど、見直すきっかけにもなる一冊です。

自分が採用担当であったらどのような社員が求められるのか?採用される側から採用する側へ視点をシフトして自らを見つめ直してみると、いくつもの悪い習慣や足りない能力などに気付くことができるでしょう。



自分というものが一番見えにくく客観性を持って見るのが難しいもの。主観を捨てて冷静に外側から自分を見抜く力もきっと役に立つので、こちらを読んで私も直すべきところなどを改善していきたいと思います。『採用基準(ダイヤモンド社、伊賀 泰代著)

自分でつくればいい

「仕事をするなかで、自分のやりたいことが今の環境では出来ない・・・。」そう嘆いている人は多いと感じます。「やりがいを求めて今の仕事を選んでないから仕方がないよね。。。」「もうこんな年齢だし、夢ばかり追ってなんかいられないよ。」いくつかの理由があるんだろうな~と想像できますが、「目の前にそれがないのなら、自分でつくればいい」そう著者は言ってのけます。そんなことは百も承知。ではあるけれど、何かしらの理由を並べてできないと決めつけている人もいるのではないでしょうか。確かに、そもそも何も出来ないと鼻から諦めているのなら、そもそも愚痴ること自体何の意味もないのでやめた方がいいと私も思います。

考えることと答えを探す事は全くの別物

あることについて問題が出された際、「頭の中にある答えを必死に探すこと」は、その問題に対して「答えを考えること」とは全く別物。つまり、過去に得た知識に頼りすぎて、未来の答えを導き出すことが出来ないということは、もはや考えることが出来ていないということ。「既に頭の中にあるものを探すことは考えることではない」ということなのです。

また、会議などで問題点を指摘しかしない人を見かけますが、問題点を上げるだけでその改善策を考えて提示しないというのは、何も解決にはなり得ません。

問題解決スキルよりもリーダーシップが必要な理由

上でも述べたように、問題点の洗い出しは誰でも比較的簡単に出来ること。テーブルにそれらを並べるだけでは何も進展はしません。では、何がそれを解決へと導くのか、それがリーダーシップだと著者は述べています。

どんな場面でも、他者を巻き込んで現状を変えていこうと思えば、必ずリーダーシップが必要になります。世の中には、「どうすればいいのか、みんなよくわかっているが、誰も何もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」が溢れています。

枠を超える仕事から学ぶことは多い

実力や経験を積み重ね、スキルアップしていく人は、見えないところで努力を重ねてるというのもありますが、日々の業務の中で一歩でも二歩でも自分の枠を超えているもの。今出来ることしかしないというのであれば、未来に新たに出来ることでは増えていかないということに気が付けるかどうか。それが大切。

自分の実力を大きく超える仕事をしている人は、特別な勉強や訓練の機会を待たないでも、日常の仕事から貪欲に学ぶことができる。

決めることができる人かどうか?

日々の会議で繰り広げられる議論、その中で上げられる議題に対し、いったいどれくらいの割合で決定がなされているのか?議題にはあがるけれど、結局決断がされないまま先延ばしになっていく案件が山のようにありませんか?本当に必要なことは議題にあがったことを議論することだけではなく、決断をするというところ持っていくことなはずです。

リーダーとは、「決める人」です。検討する人でも考える人でも分析する人でもありません。世の中には、高い分析力や思考力を持っていても、何も決めない人がたくさんいます。決めることを出来る限り先延ばしし、「情報が足りないから決められない」と言って、とめどなく検討や会議を続ける人がいるのです。

リーダーとは、たとえ十分な情報が揃っていなくても、たとえ十分な検討を行う時間が足りなくても、決めるべき時に決めることができる人です。

なんでも多数決で決めようとすること自体間違っている

何かの選択を強いられたときに、よく出てくる多数決。何もかも多数決で票の多い方に決定されていく様は、もはや決断していないのと同じことだと常々感じます。なぜAなのか?なぜBなのか?事実と論理によって検討したうえで、どの選択が正しいのか?もう少し突き詰めていくことができるはず。詰める以前に「多数決で決めましょう」は、もはや考えることを放棄しているのと変わりはない

最前線に立たずして文句を言うのはおかしい

チームで何かを動かしていく中で、リーダーの決定にあれやこれやと文句ばかり並べたてる人がいます。自らは責任を負わずして、正論を振りかざし、あれは最善ではない、それはおかしい。誰々は自分勝手に物事を決めていく。など、外野からヤジを飛ばして自分からは動こうとしない人。それでは何も変わりはしません。まずは、前に出て自分の発言に責任を持つこと。リスクを負って持論を展開してから話し合いは始まります。

自分がリーダーシップを発揮することは決してないのに、結果に対して文句を言うのは無責任すぎます。

柔軟性のある人を求めるばかり、リーダーが育たない

ある会社で求められている人を一言で言うと「柔軟性のある人」と耳にしました。日々変化の多い業界や環境において「変化に対応する力のある人」は重宝されるのは間違いのないことでしょう。しかしながら、変化への対応を求め過ぎれば、変化を起こすようなリーダシップを持った人は集まってきません。なぜなら変化を起こす人は、輪を乱す人と見られてしまうからです。もちろんバランスは必要ですが、両者を都合よく求めるのはなかなか難しいのが現実です。どちらを優先するかは考え方次第ですが、きちんとそのことを理解した上で選択することが必要でしょう。

過去の分析や実証報告で終わらせないこと

何かを提案する際に、多くの数値的データや実証などを元に答えを出していく作業がありますが、ただデータを並べて理由づけして結論を出すだけというのは少し物足りません。まずは自分の考えを出したうえで、その理由としてデータや実証を並べていくことが必要と言えるでしょう。

まとめ

いくつかピックアップさせて頂きましたが、企業が求める人材像はそれぞれ違います。この会社は社員に何を求めているのか?それを考え実践していけばおのずと評価は上がっていきます。逆に自分の価値観でのみ努力を重ねていてもいつまでたっても評価はされないし、作業者でしかなくなっていきます。やはり物事を真剣に考えられる人、自分の意見をきちんと述べることが出来る人はどんな環境でも必要とされますので、客観性を持って考えて行動をしていけるようになることがまずはじめの一歩になることでしょう。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください