東日本大震災やリーマンショックなど、時代の波に流されずブレることのない自分の軸を持つこと。インターネット社会における流れ込む情報化社会において、ひとりひとりが本当に大切なものをしっかりと見極めて生きていくためにはどうすれば良いのか?
著者が実家の料亭、三越、ディズニーと渡り歩いたうえで気付いた”本当の強さ”とは。これからの時代を生き抜いていくために必要な考え方を、いくつかのチャプターに分けて紹介されています。『日本人が知っておきたい心を鍛える習慣(クロスメディア・パブリッシング、上田比呂志著)』
1.鍛える(鍛練)
2.律する(自律)
3.捨てる(無碍)
4.軸を据える(碌)
5.喜びを分かつ(兼利)
6.知恵を絞る(楽苦)
7.使命を果たす(志)
朝日を拝み今日に感謝する
昔の人は、朝起きたときに太陽に拝み、一日お天道様に恥じないように生きようと誓ったものです。
現代では、昼夜逆転しているような職業の方が数多くいるのも事実です。そんな忙しい毎日を過ごしている現代人だからこそ、地球のサイクルに心と体を合わせていくことが本当に大切になっている時代です。太陽が真上まで上がってからカーテンを開ける生活をしている日々を少し変化させ、早起きをしてみませんか?太陽が東の空から上がる刻々をぼんやりと眺めてみれば、様々な価値観に改めて気付き、今よりも豊かな時間の使い方をすることができるかもしれません。わかっているけれど出来ないと思い込んでいることや、難しいと諦めてしまっていること、そしてついつい寄りかかってしまう甘えを抑え込み、小さな変化を起こしてみるのもあながち悪くないでしょう。
生活の中に自然を取り入れる
星に定めを知り、風に流れを読み、海に心を映し、月に癒され、陽に突き動かされる。自然体とは、まさに自然と繋がることなのです。
先ほどの朝日のこともそうですが、本来私たち人間も動物の仲間であるはずです。他の動物が当たり前のように、自然世界の中で生活をし、太陽や月に従う日々を送っている中で、私たち人間だけがそれに逆らい効率の良い生き方だけど追及してしまっているという見方もあるのだと感じます。知恵も体力も磨かれていくなかでその反動として失ってしまっていることも必ずあるはずで、それは一人ひとりきっと違う。何が足りなくて何が十分すぎるのか、自分のことからまずは整理してみてはいかがでしょうか。
立ち戻れる軸を持つこと
何のために働いているのか、もっと言うなら、何のために生きているのか。人の自尊心というのは、簡単に揺らいでしまいます。ちょっとしたことで自信を失ったり、迷ったり、揺れ動いてしまうものです。それでも、立ち戻れる軸があれば、自分の役目を見失うことはありません。
人は常々弱いもの。一度決めた事でもすぐに心が折れてしまうなんてのは良くあります。その時、リセットしてしまうのか?少し立ち止まりまた目標へ向けて軌道修正をすることができるのか?その違いは、自分の中に揺るぎない芯のようなものが必ず必要です。その芯を自分の軸として持つことが出来るかどうか、そこに強さが垣間見える。
生きるとは言い換えれば、命を使うことでもある
命の使い方について考えた。
「命の使い方」というフレーズに視線が止まりました。命を使うという表現により命は有限なものであり、日々消費されていくもの。いや、消費していくものであり終わりは必ず存在するものである。という当たり前のことに鈍い実感として、衝撃を受けました。これからの人生の過ごし方は、命の使い方であり、人によってその使い方は、自由に決められることなのに、いつしか他者と同じようなものを身に着け、考え、笑い、悲しんでいるというほとんど違いのないものになってしまっている気がしてきます。きっとそれでも幸せだと思えるのでしょうが、それ以外を選ぶ権利は誰にでもあるということを知っておかなければいけないと感じます。