厳しさのなかの温もり

厳しさのなかの温もり

実写とノンフィクションの融合を見事に表現した一冊。これまでの警察小説の枠を越えて一気に読みふけってしまいました。『クライマーズ・ハイ(文藝春秋、横山秀夫著)』 面白いですね。 誰でもみんな、山に来ると不思議なほど正直にな...

眺めるだけでは見えてこないもの

眺めるだけでは見えてこないもの

山は遠くから眺める姿と、実際に歩いて見る姿と、想像以上にその様は違うもの。山道を歩いてみるとそこには離れた場所からでは見えない、生き物や植物が存在しその障害を懸命に尽くしています。『孤高の人[上][下](新潮文庫、新田次...

それぞれの方法

それぞれの方法

加害者と被害者。ある物事の重みは人それぞれであり、感じることや思うことも人それぞれ。個性だ自由だとオリジナリティーを尊重する割に、罪の重さは同一でなければ気が済まない人間の矛盾。正解も不正解もなく、何が正しいのかはそう簡...

損失との折り合い

損失との折り合い

それぞれの心に残る「損失」を巡礼のなかで和らいでいく作品。後悔を抱え自問自答の先に見えてくるもは何か。『きみ去りしのち(文藝春秋、重松清著)』 話したいことはたくさんあったが、言葉は要らない。 見つめ合うことも、やめた。...

物語の途中

物語の途中

あなたは今自分の人生を歩いている。そのつま先は目的地を向いているか、それともそもそも目的地がないか。それはわからないが、あなたの物語はすでに始まっていることには気づいているのだろうか?『RUN RUN RUN(徳間書店、...

あなたと、どこかへ。

ドライブに出かけようか

8人の作家が「車(ドライブ)」に纏わる物語を描いています。8種多様な表現手法で駆け抜ける爽快感を綴っている読み応えのある一冊。 慣れてしまうことは何かを失うのと同じだ。 『あなたと、どこかへ。(文春文庫、複数著者)』

赤い長靴

透明な情景

人間の本質とは何だろうか。その人の発する言葉、考え方、行動。何をもってその人の本質を判断すればいいのかわからない。人には明るい面と暗い面、言わば表と裏を持っていると思うが、江國さんのものがたりは至って人間の暗い部分を繊細...

決めつけない

決めつけない

決めつけない。 不確かの中に確かはある。 「絶対」がすべてではないんだよ・・・。 人は成長するもの。 人は変化するもの。 自分の考えや言葉に責任を持つことは大事なことだけど、 それに縛られて変化するキモチを否定してはいけ...