最近、書店ではこのようなテーマの書籍が数多く出回っています。「論理的思考の○○法」など、それだけニーズがあるということですね。
ですが、実際にそれに伴って論理的な人が増えているか?と周りを見回してみても、そんなに多いわけではないような気もします。ただ読んだだけでは何も変わらない。ということが良くわかります。実践してこそ身になることなので、そのことを念頭に読ませていただきました。
仕事をしていて、いつも予定通りに物事が終わらない。一生懸命考えてやっていることなのに思うように成果が出ない。そんなことで悩んでいるビジネスマンに必要なこととは?
論理的に情報を整理する方法や仕事のなかにおける業務作業の優先順位のつけ方など、実際に仕事をする上で役立つ情報が、コンパクトではありますがまとまっている内容になっています。『戦略的な人の超速★思考術 (中経の文庫、西村克己著)』
大きな問題は抱えてないけれど、もっとスマートに仕事ができないか考えている方は、参考にして実践してみることをオススメします。
論理的思考と理屈を混同しない
問題に対してその対策を練るときに、これまでの背景、経験などが少なからず情報として頭の中にあると思いますが、そのような何がしかの「思い込み」があると、論理的ななかで重要な「論拠」や「事実」を悪気なくゆがめてしまう可能性があります。過去は過去、今は今として真っさらな思考の状態から問題解決を始めることは非常に重要なことと言えるでしょう。
何か主張したいことを述べる際、感情に乗せて思いのままに発するのではなく、「なぜそうなのか?」という論拠を筋道立てて説明することを忘れてはなりません。ただの意見や理想論、を述べているだけでは屁理屈を述べているのと同じになってしまいます。
話がうまくまとまらないのなら・・・
様々な情報があり、何をどう判断したら良いのか?わからなくなってしまうこともあるでしょう。そういった情報過多の状態は現代社会においてはよくあることです。多くの情報をかき集め、その中から正しい答えを導こうとすればするほど、複雑になり抜け穴は増えていくものです。これからの時代は多すぎる情報の中から、いらないものを捨てる技術も必要であり、「要するに何なのか?」という問いをあげて、思考を単純明快にしていく必要があると言えるでしょう。
ディスカッションに勝ち負けはない
よく討論の場になると、どちらが正しくてどちらが正しくないか?という結論を出すことがゴールになってしまうケースがあります。しかし、そもそもディスカッションというものは、意見の優越をつける場ではなく、それぞれ違った意見を擦り合わせ、共通認識や結論を見出していく場です。相手の意見や主張に耳を傾けず、反論し続けることや、論破する手段を練ることが重要なのではなく、様々な知恵を集め、削り、磨きながらある現時点での答えを探しながら創り上げていくいくという創造的な合意形成の場であるべきなのです。