文学者ではないからこそ、そのメッセージに入り込みやすいというのもある。言葉が言葉として伝わることって簡単なことではない。伝えたいという気持ちがそこに見えるからこそ、読む人に何かを伝えることができることを感じました。『神は…
憂鬱の夜明けは来るのか
“アジアンタム”とはシダ科の観葉植物。 涼しげにハート型の葉を揺らすその姿は若い女性に人気だが、枯れはじめると手の施しようがない、そんな繊細さを持つ。その状態は“アジアンタムブルー”と呼ばれるが、ごくまれにその“憂鬱”を…
わかるようでわかりたくない
本を読んで、久しぶりに泣いた。 何故だろう、、、 涙がこぼれる理由がわかるような、 それでいてわかりたくないような。 でも確かに、透明に、静かに、心に染み込んできた。 その水分が自分でもどうしようもなく 溢れ出したんだと…
勝ち負けをくりかえす意味はあるのだろうか
思想や哲学と言うと堅苦しいが、自分の考えや倫理をまっすぐに表現することの力強さと自由を痛烈に感じました。格闘家という肩書はもはや言葉でしかなく、イメージを越える人間味とメッセージに共感を覚えます。『風の谷のあの人と結婚す…
他人の運命にかかわる重さ
人間失格、未成年など、時代を映した脚本で有名な野島伸司さんの恋愛小説。生きるものと亡くなったものとの強い想いが重なり合う切なくも暖かな作品です。大切な人を亡くしてしまったしまった人の心をそれぞれの優しさが変えていく。 『…
終わりはいつもあっという間
傷つきながらも恋をする女性の切ない恋愛模様を、ゆるやかにしんみりと描く作品。 『1ポンドの悲しみ(集英社、石田衣良著)』 始まったものにはいつか終わりがくる。 だが別なことを始めるためには 先に終わらせておかなければなら…
過去に前のめりな「わたし」
それを咎めるでもなく、全てを受け入れ、終わりの見えている関係をわかっていながらも恋をしつづける「わたし」。 別れを切り出されてからの「わたし」の落ち着かない精神状況を書き綴っている。 ”サイトウさん”は「わたし」のことを…
言葉にすると想いはこぼれおちてしまう
人は忘れまいと思うことから忘れていき、 忘れたいことほどいつまでも忘れられない。 でもきっと誰もがそういうものを 抱えているんだろうと思う。 どんなに忘れようとしても忘れられないのは、 もしかすると、それが忘れてはいけな…