喪失の果てに

喪失の果てに
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記憶というものは生きている者をいつまでも離さない。多くの場合、過去が美化されるように消えてしまったものは、いつまでもあの時のまま私たちのどこかにこびりついて離れない。切なくも温かく透き通った気持ちになる一冊です。


ふたりが愛し合ったという事実。

現実に僕はまだ、その影響下にいる。
そこから抜け出せないでいる。

生きていれば時間と共に霞んでいってしまうかもしれない事実が、
君が亡くなった今、夜空に輝き、止まって見えるあの星たちのように、
あまりにも鮮明に僕の胸に輝いている。

スワンソング(角川書店、大崎善生著)

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