好きな人と何かしらつながっていたい
それが何であれ、それは私を安心させる
絡み合った糸でさえ握っていることで
その糸が弛んだり、引っ張られたり、
確かにそんな感触が手の中に味わえるから
それだけで何だかほっとする
『落下する夕方(角川書店、江國香織著)』
梨果と8年一緒だった健吾が家を出た。
それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人「華子」
彼女とくらすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。
逃げることも、攻めることもできない奇妙な三角関係。
そして愛しきることも、憎みきることもできないひとたち…。
永遠に続くにちじょうを温かで切ない感性が描いた恋愛小説。