最も大切なことは成功する事でも、お金持ちになることでもきっとない。大切な人とともに時間を過ごせるかどうかのほうがよっぽど大切なことだ。『無辺世界(新潮文庫、銀色夏生著)』
私が愛するだれかが、私を愛するだれかが、
私を見失わないような、みようと思えばいつでも、
すぐに見つけられるような場所に、私は立っていようと思う。
どんな花が咲いてどんな風が吹いて私をどこかへ誘おうとしても、
その方向があの人々を見失う方向であるとしたら、
私は決して、ただの一歩も、ここから動き出さないだろう。
私にとって最も大切なことは、あの、同じ悲しみでありよろこびを、
みとめあえる人々の存在を確信することである。