私たちが日頃、誰かと雑談や仕事の話をしている時でさえ、相手は自分のことを幾つかの指標に沿って評価している。悪意はないはずだが、ちょっとした会話の中で自分の頭の良さを判断されています。
そんなことから、いつも自分がしている話し方を客観的に聞いてみることや、日常のたわいもない会話の中で気を付けなければならない点など、対策を踏まえて参考にすべき事例と併せて紹介してくれています。気になった方は是非一読をオススメします。『頭がいい人、悪い人の話し方(PHP新書、樋口裕一著)』
些細な会話ほど気を付けよう
冒頭でも説明しましたが、私たちの生活する中で行う日常会話。そのごくありきたりな会話のやり取りこそ注意すべきと著者は述べています。
その理由として、次のようなことが考えられます。
大人として社会人生活を送るようになるとほとんどの方が、「試験」ということから離れ、他者を何かの指標で判断する機会が少なくなってくることが挙げられます。初対面の方などを肩書や学歴で判断してしまいがちなのもその一例だと考えられますが、それ以外の判断材料としては、言葉遣いや説明の良し悪し、ボキャブラリーの豊富さなど、そのほとんどが会話の中で読み取る情報となってきます。
おそらく多くの人が無意識のうちに相手の頭の良さを話の中から感じる印象によって判断をしているのではないでしょうか。
「YESマン」になってはいけない
仕事においてよく見られますが、上司の意見に絶対に反対しない人。勿論、上司の判断がすべて正しいであろう場合は良いのかもしれませんが、「いいですね」「はい賛成です」しか言わないような人は、「この人は、自分の意見がない人だな」と感じて知性がないと判断されてしまう可能性があります。
たとえ賛成の場合であっても、その賛成の仕方「これこれ○○な理由から、その意見に賛成です」など、きちんと自分の意見を言葉にした上で賛成の意を表す方が、その人の頭の良さが伺えてきます。
また反対の意を表す場合であっても、批判ばかりすれば良いというわけではなく、批判や反対をするのであれば、大替案や曖昧なプランの詳細をもっと気にするような、具体的な施策などを突っ込んで聞くなどが必要になります。
そして、たとえ反対や異論を述べる場合であっても、賛成や納得のできる箇所の内容に関しては「確かに」などきちんと相槌は打つようにしておきましょう。
自説を押し通す事が知性ではない
自分の意見が常に正しい。そう押し切ることが頭の良さではありません。「賢さ」というのは、様々な意見をきちんと聞いたうえで、その時何が最適なのかを冷静に判断できることです。たとえ自説があろうとも、その意見が完全ではない場合や、他者の意見の良いところを汲み取りながら最善の策を練ることが、「頭の良さ」とも言えます。
整理して述べる
ああでもない、こうでもない。議論が白熱してくると、とりあえず反対の意を述べたり、口を動かしながら考えてしまいますが、話しながら内容をまとめていく話し方よりも、きちんと「自分が何を言いたくて、相手にきちんと伝わるような表現が出来ているか?」など意識することが大切になります。とりあえず、それっぽいことを羅列してしまうと矛盾が発生しやすく、自分の考えを自らが理解できていない状態に陥ってしまう可能性があります。
まとまっていない話が頭に浮かんできたときにも、一度頭の中で整理してから言葉にするようにした方が、間違いなく「知性」を感じ取ることができるでしょう。
このように、話し方というポイントに絞って「頭の良い人、悪い人」という他者からの判断への対応になる内容になっています。たかが日常会話ではなく、されど日常会話であるという認識を持って、これから会話をすることにしていきましょう。