かつてNHK-BSで放送されたドキュメンタリー番組撮影時での出来事が綴られたフォトエッセイになっています。ソビエト、アメリカを交えた内容になっています。
俺には俺自身のことがわからない。
いつも世界で一番不可思議なのが自分という存在だった。
でも自分と和解しなければならない時が人には必ずあるものなのだ。若い頃、何かに躓くと、世界はどうせ幻じゃないか、
と言ってその厳しい現実からのらりくらりやり過ごしてきた。でも本当に世界は幻なんだろうか?
幻と言ってただ現実から逃避していただけではないか。そうさ、世界は幻なんかじゃない。
『世界は幻なんかじゃない(角川書店、辻 仁成著)』