森博嗣エッセイ第三弾の本書。ただただ独り言のように綴る内容に頷くばかり・・・。印象に残る内容をいくつかご紹介したいと思います。『つぼねのカトリーヌ(講談社文庫、森博嗣著)』
自分は基本的に一人である
「どんな仕事をしているかというのは、今何を着ているのか、と同じくらい人間の本質的なものではない」
仕事は何ですか?そんな質問を初対面の人にすることもあるのではないでしょうか。当たり障りない会話の中で展開されることが多いものですが、相手のことを知りたいという強い欲求とは真逆に本質を捉えることはできない質問でもある。
嫌われたらどうしようなんてどうでもいいこと
他者に好かれたいという気持ちが、人間の最も弱い部分だ。嫌われても良いからしなければならないことがときどきある。嫌われるなんてことは、それほど重要な問題ではない。そんなことよりも、ずっとずっと大事なことは、自分に嫌われないことだ。自分の考えに対して誠実に行動すること、これは別の言葉にすると「自由」だ。
他者の目を気にしてやりたいことが出来ない。そんな言い訳はもう止めにしよう。誰のために今私は生きているのか。それは単純に私という私に対して悔いのないように生きている筈である。