「そうそう、それが欲しかった」を見つけるにはどうすればいいのか?『ヒットの正体(日本実業出版社、山本 康博著)』から読み解いていきます。
世間で騒がれている数々のヒット商品には、必ず生みの親が存在し、度重なる苦労と豊かな発想がひとつの商品を生み出しています。
今まで何故なかったんだろう?
そのような、何かの拍子に少しのヒントから思い付きそうな何気ないアイデアも、たった一人の好奇心から「なぜ?ナゼ?何故?」と、掘り下げて考え抜いた結果として、ありそうでなかった斬新な商品として世間に知れ渡るようになっています。
実際に商品化されているものには、自分も過去に似たようなことを思っていたことがある。など、誰にでも経験のあるアイデアの種も少なくありません。
多くの人が既に気付いていたことや試したことのある方法など、人間離れするような発想というよりも身近なものにヒントは数多く眠っていることが多いものです。
つまりは、どれだけそこからさらにアイデアの種を蒔くための土壌を、深く掘れるかどうかなのでしょう。しかし、掘ってはみたものの結局何も見出せないことが多々あるのも現実。だからと言って、どうせ何も見つかりはしないと掘ることさえやめてしまえばアイデアの種を植える場所も、ましてやそこから花も咲かないのは当然のことと言えるでしょう。
ではどうしたらアイデアというものは育てられるのか?と言えば、まずはアイデアのことは脇へ寄せて問題を解決するというシンプルな視点で考えてみると良いでしょう。
誰かが欲しいというものを生み出したいのなら、まずは人の心に興味を持つ。人に対してそもそも興味がなければ、何が問題で何が原因なのかという部分に辿り着けません。
既成概念を壊す発想力
ゼロからイチを生み出すことは、どれだけ優秀な人でも音を上げてしまうくらい大変です。
りんごは木から落ちるのに、月はなぜ落ちてこないのかを考えたニュートン。太陽ではなく、その周りを地球が回っていると考えたガリレオ。私たちは彼らのように既成概念を壊す発想力が求められるのです。
ヒットを生み出すためには、世の中の様々なことに常に疑問を持ち、さらにその疑問を自らの頭で考え行動し、その謎を解明していくということの積み重ねが最低限必要。
その人の持っている素質や頭の良し悪しということよりも、辛抱強さや探究心という「わからないことをわかりたい」という単純な動機が、新たな発想や商品というアイデアの花へと導く原点なのかもしれません。
ヒットを生み出すことはすなわち、「人の心を知る」ということなのかもしれません。